在庫管理の重要性


 在庫品を減らすのが、こんなに大事なことだとは!(真っ赤な空を見ただろうかっぽく)
 トヨタカンバン方式みたいに、在庫を減らすことで上手いこといっている企業のケーススタディをたまに見聞きしますが、在庫管理の重要性がよく分かっていませんでした。まぁ在庫をおいとく場所代の問題かな、くらいの認識でした。
 で、今日ファイナンスの勉強をしていて、その重要性をもう少し深く理解できた気がするので、リポート(?)します。



黒字倒産と運転資本

 企業が材料を仕入れたとき、その代金を払うのはやや後のことですが、その材料で製品を作ってそれが売れるのはもっと後、その分の儲けが入ってくるのはもっともっと後なんですね。
 材料の代金の支払を1度延滞し、2度目でまた払えないと、事業で利益が出ていても倒産するらしいです。なので、材料の代金を払うためのお金を用意しておかなくちゃいけません。このお金が運転資本です。倒産のリスクを低めるためにも、なるべく運転資本を必要とする出費を少なくしたほうが良いわけです。



運転資本を減らすために ― キャッシュ・サイクル・タイム

 運転資本を減らすには、在庫を減らすことが重要になってきます。その辺をやや詳しく説明します。
 製品の材料を仕入れてから売れるまでには、在庫期間*1と売掛期間*2を経ることになります。また、仕入れてから材料の代金を支払うまでの期間を買掛期間といいます。このとき、"在庫期間+売掛期間−買掛期間"*3を、キャッシュ・サイクル・タイムといいます。
 "在庫期間+売掛期間=買掛期間"となるとき、キャッシュ・サイクル・タイムはゼロとなり、運転資本は必要ありません*4。これを理想的な状態とすると、対策は3つです。

  1. 在庫期間を減らす=在庫を減らす
  2. 売掛期間を減らす=お客さんに早く払ってもらう
  3. 買掛期間を増やす=仕入先への支払期限を延ばしてもらう

 このうち、企業努力で一番操作できそうなのは、在庫を減らすことのように思います*5。なので、企業は様々な工夫をして、在庫を減らそうとするのです。




 そういえば、売掛期間を減らす身近な例としては、クレジット払いにするとポイントカードのポイント付与率が下がるってのがありますね。ビックカメラとか。



参考文献(というかほぼそのまま)

現代ファイナンス論 改訂版 ― 意思決定のための理論と実践

現代ファイナンス論 改訂版 ― 意思決定のための理論と実践

*1:作って、置いとく期間

*2:お客さんに売ってから代金を支払ってもらうまでの期間

*3:材料の供給元に現金を払わなきゃいけない日から、お客さんから現金を受け取る日までの日数

*4:支払の日と儲けが入る日が一緒だから

*5:ここは僕の印象