星島貴徳ってそんなに異常?


※グロ表現注意
 詳しく調べたわけじゃないので的外れかも知れませんが、彼の殺害以降の行動についての異常性というのは、テレビで騒がれるほどのものではない、というのが本エントリの主張です。
 それにあたって、(1)殺害する、(2)死体を解体する、(3)メディアのインタビューに飄々と答える、(4)「性奴隷」との供述、という、4つの行動の異常性について考察したいと思います。

殺害すること

 「警察がきた→解放したら捕まる→このまま家に置いとけない→殺す」というのは、合理的ではないかと思います。

死体をバラバラにすること

 これも異常じゃないのではっていう話がなんかのミステリにありましたね。森博嗣京極夏彦
 僕は道端で猫が車に轢かれて死んでいたのを見たことがあります。そのまま野ざらしにしておくのは可哀想だなと思いながらも、なんだか怖くて触れませんでした。しかし他方で、僕らは獣肉を食べます。あれは全部「死体」なわけで。
 ということは、僕らは、いつも見てる獣肉レベルまで細かくしてしまえば、人の死体もそんなに気持ち悪くなくなるのではないかと思うのです。だから、その気持ち悪さの解消のためにバラバラにするというのは、それ自体を楽しむ異常行為というよりは、単なる後処理の作業ではないかと思います。
 しかも、警察が捜査に入ったために、一刻も早く処理してしまわなければいけない、という切迫した状況のため、「最初の一歩」を踏み出すハードルは下がっていたと思われます。

殺害翌日に飄々とインタビューに答えること

 答えるか答えないかは個人のパーソナリティによるとしても、答える以上は平静を装って答えるしかないですし、体裁を取り繕うためにやたらと饒舌になってしまうのは、僕らにもよくあることだと思います。

「強姦し続ければ性奴隷になると思った」といったこと

 この言葉、彼の異常者としてのイメージとピッタリ来ますね。「犯人は死体をバラバラにしている→異常犯罪者、性的倒錯者、オタクっぽい→被害者の女性を自分のほしいままにしたいからやったんだろう→性奴隷になると思ったんだろう」みたいな。このピッタリくるってのが逆に怪しいです。
 本人の口からこの言葉が出たのか、「性奴隷にしたかったのか?」「ハイ」っていうやりとりだったのかは分かりませんが、いずれにせよ、状況圧力が強い場で、知らず知らずのうちに「望ましい回答」をしてしまうってのはあると思います。
 「動機」というのは「説明」なので、「納得できるものでなければならない」という暗黙の了解があります。そうすると、動機として語られる内容には、犯人が属する文化・社会の規範や風紀などを参照した、適切そうな言葉が選ばれてくることになります。だから本当に彼が「上手くやれば性奴隷にできる」と思ってやったのかは不明です。
 逆に、むしろレイプって全部、性奴隷=やりたい放題にしたいからやるんでないのか、とも思いますし。積極的な服従じゃないにしても、被害者が諦めて*1言いなりになるということはあるかもしれませんし。

結論

 こう考えると、彼はテレビなどで演出されるほどの異常者ではないように思うんです。だから、死刑でなく無期懲役だったのも、そんなに不自然ではないと僕は考えます。

注意

 こう書くと彼に加担したような感じですが、殺害以降の行動がそんなに異常ではないと言っているだけで、思い余って拉致することは異常だと思いますし、批難されるべきことだし、厳しく罰せられるべきことだし、僕もそうされるべきだと思っています。

*1:あるいは戦略的に、油断を誘うという意味で