容疑者Xの献身/東野圭吾/評価:3.5

評価

  • 面白さ 3.5
  • 結末 3.5
  • 期待外れ度 5

感想

 面白くなくはないけど、直木賞受賞作だとか、広告の煽り文句だとか、評価が作品の実際とあまりにかけ離れているため、期待外れ感がタップリです。先入観なしに読めたらもう少し違った印象かなと思います。『悪意』なんかは面白く読んだんですが…。悪いところは大きく3つあります。
 まず、序盤〜中盤が火サスみたいで陳腐。うんざりします。終盤もあんまり盛り上がらないし…。
 次に、なんでその殺人を隠す必要があるのかイマイチ理解できない。法律に詳しくないんで知らないですが、フツーに自首すりゃ情状酌量で執行猶予でもつくんじゃないですかね。
 最後に、「天才」の演出の仕方がサブい。湯川といい石神といい、その「天才性」の描写のいかにもな感じが、全体を通しての現実的な世界観とマッチせず、イタいです。たとえば『クビキリサイクル』みたいな、世界観も非現実的でキャラも個性ばりばりなら、そういうものとして見られるのでむしろ面白いですが…。
 Amazonのカスタマーレビューでも同じような感想が出てます。☆5つのもの以外は参考になると思います。