ナ・バ・テア None But Air/森博嗣/評価:4
評価
- 面白さ 3
- 結末 3
- シャープさ 5
感想
押井監督の下で映画化された『スカイ・クロラ』シリーズの、第1作です(出版は『スカイ・クロラ』が先)。
戦闘機のパイロットたちの話で、飛行機の操作に関する用語が出てくるんですが、僕はそれをよく分かんないまんま(従って戦闘シーンで飛行機がどういう動きをしてるか分からないまんま)読みました。気になる人は調べつつ読めばいいんじゃないかなという感じです。
特に大きな事件が起こってどうこうではないんですが、鋭いというか、洗練されているというか、万人向けではないけどスッキリしてて心地良い読後感でした。
砂漠だって自然なのに、何故か緑豊かな土地だけが愛される。地上は、そういう嫌らしさに溢れているのだ。
脂が滴り落ちて、オレンジの炎が音を立てて、皮が膨れ上がって、鶏はチキンになる。さっきまで生きていたものが、いつの間にか美味しそうな食べものになっていく様を、じっと観察していた。どこから、自分はそれを食べたいと思うか、知りたかった。
この視点。この視点が好きです。