チャイルド44/トム・ロブ・スミス/評価:5

評価

  • 面白さ 5
  • 結末 4
  • ソ連 5

感想

 僕の大好きな大量猟奇殺人モノです。少年少女がある共通の方法で殺されていきます。しかし、"理想の"国家ソ連では殺人は理念上あってはならないこと。だから、国家によって適当に犯人がでっち上げられて、強制解決させられてしまいます。なので殺人は止まりません。そんな国家体制と殺人事件の板挟みになって奮闘する主人公レオ。元々体制側の人間で、独自の正義を掲げてるわけでもないので、理想のヒーローではないんですが、そこが逆にカッコいいです。
 ただ最初の方は、当時のソ連がどんなんか、主人公やその周りの人々がどんなんか、みたいな話なので、そこだけ注意。それもめっちゃ面白いですけどね。仮に興味がない人が読んでも面白いと思います。
 上下巻構成で、舞台はスターリン体制下のソ連、という面倒くさい話っぽいですが、全くそんなことはありません。どんどん読みたくなります。超面白いです。超傑作です。黙って読め。
 いつだか不明ですが、リドリー・スコット監督による映画化も決定されてるそうです。僕の大好きな作品「ハンニバル」を撮ってますから、こちらも期待大です。